The Whole Earth Urban Historical Research Project
『全球都市全史プロジェクト』宣言
BC3000年以前のメソポタミアに、人類最初の都市が誕生したといわれる。その時から現在まで無数の都市が誕生し、消滅していくものもあった。
だが、多くはその姿を変容させ、21世紀、わたしたちの目の前に広がっている。
都市は、人類の文明を大きく育む装置として貢献する一方、現在では、全人口の半数以上が都市に住み、その動態はエネルギー、食料、水、大気といったあらゆる地球資源に影響を与え、のみならず、文明に対しても負のインパクトを及ぼしている。
これら、都市の誕生から現在までという長い時間の都市が、地球全体でどのような振舞い方をしてきたのか、その変動の要因と結果を探査することは、今後の都市の持続と地球環境の未来を考える際に、ひとつの根拠となるであろう。
私たちは、歴史学、建築史、交通工学、水理学など、異なる学問領域の力を結集して、全球から150程度の都市を選択し、その歴史的変動を解明するプロジェクトを立ち上げ、それを『全球都市全史プロジェクト』と命名する。
なお、本プロジェクトは規模の大きさ、解明要因の複雑さ、参加する専門家の人数を考慮し、まず、今回13都市(東京、ソウル、北京、ジャカルタ、カイロ、サマルカンド、モスクワ、コペンハーゲン、パリ、ローマ、デリー、エルサレム、ロンドン)を選びパイロットプロジェクトとして実施し、その研究の可能性を模索する。